医療

2021年9月6日 薬食審・医薬品第二部会 承認薬の一覧

厚生労働省の薬食審・医薬品第二部会は9月6日、新薬8製品の承認を了承しました。

薬剤師たるもの新薬の情報はきっちり押さえておきたいですよね。

今回、承認された薬は、

サイバインコ錠

:既存治療で効果不十分なアトピー性皮膚炎

作用機序:JAKファミリーのうち主にJAK1阻害する。

特徴:12歳以上の小児適応を持つ(リンヴォックは小児適応あるが体重の条件あり)

サフネロー点滴静注

:既存治療で効果不十分な全身性エリテマトーデス

作用機序:IFNα受容体のサブユニット1に結合するヒトIgG1κモノクローナル抗体で、I型IFNシグナル伝達を阻害する。

特徴:I型IFNα受容体拮抗薬の新規承認であり、10年間でSLE治療薬に対する初の薬事承認

リツキサン点滴静注

全身性強皮症

作用機序:抗CD20モノクローナル抗体

特徴:B細胞除去療法が強皮症の皮膚硬化と肺線維症に対する優れた効果を発揮

タブネオスカプセル

:顕微鏡的多発血管炎多発血管炎性肉芽腫症

作用機序:低分子の選択的補体C5a受容体拮抗薬

特徴;経口投与可能

ライアットMIBG-I 131静注

:MIBG集積陽性の治癒切除不能な褐色細胞腫・パラガングリオーマ

作用機序:NA類似構造を持つMIBGのNAトランスポーターを介した腫瘍細胞取り込み機構を利用し、腫瘍内からβ線により細胞傷害し腫瘍増殖抑制を行う

オプジーボ点滴静注

:再発又は難治性の古典的ホジキンリンパ腫

作用機序:ヒトPD-1に対するヒト型IgG4モノクローナル抗体

特徴:小児用量を追加

パドセブ点滴静注

:がん化学療法後に増悪した根治切除不能な尿路上皮がん

作用機序:ADC(抗体薬物複合体)、ネクチン-4に対するIgG1サブクラスのヒト型モノクローナル抗体と微小管重合阻害作用を有するMMAEがリンカーを介して共有結合している。腫瘍上に発言しているネクチン−4に結合し細胞内に取り込まれることにより遊離したMMAEがアポトーシスを誘導、腫瘍増殖抑制作用を示す。

メグルダーゼ静注用

:メトトレキサート・ロイコボリン救援療法によるメトトレキサート排泄遅延時の解毒

作用機序:MTXのカルボキシ末端のグルタミン酸残基を加水分解することによりMTXの血中濃度を低下させる

ノクサフィル錠

:侵襲性アスペルギルス症の治療

作用機序:アゾール系抗真菌薬。エルゴステロールの生合成を阻害する。

感想

近年は、アトピー性皮膚炎のJAK阻害薬のブームですね。どんどん新しい薬が出てきます。

アトピーは痒くて、見た目も悪くなりやすく辛いですからどんどんいい薬が出てくれるのは本当に嬉しいことです。

個人的には、MTXの解毒薬が開発されたことが驚きです。薬剤性の中毒では、透析除去でも取り除けない部分もあったので、こちらの薬でどのくらい除去できるのか調べてみないとわからないですが、解毒方法が加水分解なので期待ですね。

 

ABOUT ME
タカヒロ
病院薬剤師歴9年目、薬剤師研修センター認定薬剤師、小児薬物療法認定薬剤師制度、日本糖尿病療養指導士。 薬剤師的に、医薬品だけでなく衣食住に関わる薬についての情報を発信していきます。